Sustainable Tourism

パレスホテル東京が日系ホテル初・GSTC認証取得

はじめに:パレスホテル東京

弊社の代表・私、井川が大学生の時にアルバイトをしていたパレスホテル東京が、日系ホテル初のGSTC認証を取得しました。
当時は「サステナビリティ」なんて言葉は普及していませんでしたが、私が宴会クロークとして働いていた頃よりもずっと前から、食品ロスの循環に取り組んでいたことを今になって知りました。

1997年 | 生ごみをリサイクルした有機肥料「エコパレス」* を特定農家で使用していただき、その農作物を使用するという循環式リサイクルが実現しました。
1995年 | 生ごみの鶏ガラをバイオ処理方式で粉末状にし、ペットフードの原料としてリサイクルすることに成功。

出典:https://www.palacehoteltokyo.com/company/sustainability-actions/

宴会クロークかつアルバイトで働いていたため、料飲部のことはわかりませんでしたし、調理場も通り道として素通りするくらいでしたので、全く気が付きませんでした。

その当時(2001~2002年頃)より、従業員食堂は割り箸ではなく繰り返し使える、いわゆる普通の箸を使用していたことは覚えています。(さすがにブッフェの残り等の提供はしていませんでした)

今回のブログでは、このような縁のあるパレスホテル東京の取り組みを取り上げます。

GSTC認証:他のサステナビリティ認証との違い

まず、パレスホテルの取り組みを紹介する前に、今回のNEWSのキャッチコピーとなっている、GSTC認証について触れておきます。

GSTCは国連環境計画(UNEP)や国連世界観光機関(現UN TOURISM)などが中心となり、2007年に設立された非営利団体で、持続可能な観光のためのグローバル基準「GSTCスタンダード」を策定、管理しています。
「GSTC認証」とは、GSTCの認定を受けた第三者認証機関が審査を行い、付与したものを言います。
今回のパレスホテル東京では、GSTCの認定を受けているCONTROL UNIONが認証機関となりました。

GSTC認証以外の、Green KeyやGreen Globe等のサステナビリティに関する認証の多くが、GSTCスタンダードに準拠しています。GSTC認証でないからダメということ決してはなく、各認証はGSTC基準をそのまま採用したり、独自のスコープを持たせながらサステナビリティ基準の維持・向上に努めていると、私は考えています。

サステナビリティコンセプト:「未来を、もてなす。」

人と社会と自然の未来を、もてなすことをコンセプトとしているとのこと。
弊社がおもてなしの研修をする際に、おもてなしを「思って、為す」=「考えて、行動する」ことだと伝えています。

パレスホテル東京のサステナビリティの取り組みには以下のようなものがあります。

人にやさしいおもてなし
ダイバーシティ推進、育児支援、障がい者雇用など、働く人にもやさしい環境づくり。
社会とつながるおもてなし
地域清掃活動やフードバンクへの寄付、収益の一部を自然保護協会へ寄付、伝統文化の継承など、地域社会とのつながりを大切に。
自然と生きるおもてなし
食品ロス削減、LED照明・太陽光発電・コージェネレーション・屋上緑化の導入、グリーン電力の活用、代替肉の提供、FSC認証紙の使用、プラスチックの削減・素材変更、廃油のアップサイクルなど、環境への配慮を徹底。

ラグジュアリーとサステナブルの両立

パレスホテル東京のサステナビリティからは、“我慢”や“制限”といった印象は感じさせず、むしろ、豊かさを追求した先(未来)にあるものに取り組んでいるような印象を受けます。
そんな“未来をもてなす”姿勢が、ホテルをより上質にしているように感じます。