Marriott International と HILTON の環境対策比較

Source:
マリオット http://serve360.marriott.com/wp-content/uploads/2021/09/2021_Serve_360_Report.pdf
ヒルトン https://esg.hilton.com/wp-content/uploads/sites/3/2022/06/2021-ESG-Report.pdf
ホテル業界の環境対策について、業界1位のマリオットと3位のヒルトンを比較してみました。いずれも2021年のレポートです。
マリオット―2025年までのサステナビリティとソーシャルインパクトのゴール

10あるゴールの内、『予定より進んでいる』が1つ、『進行中』が2つ、『遅れている』が7つ。
主に、排出量削減、認証、調達の点での遅れが目立つ。

炭素排出量・エネルギー消費量は全てのエリアで基準年の2016年比18~37%減となっているが、COVID-19によるそもそもの稼働率が低いのが主な原因のため削減できたとは言えない。

炭素排出量・エネルギー排出量とは異なり、水の消費量は使用した部屋当たりのため、全てのエリアで消費量が増えている。ウイルス感染防止対策のため、衛生レベルが高まったのが要因か。
ヒルトンー2030年のゴールに対する進捗

3あるテーマの内、『進行中』が2つ、『遅れている』が1つ。水関連への対応に課題を持っている。

・炭素排出量の削減目標達成まであと18%の削減
・電力消費量の削減目標達成まであと13%の削減
・水消費量の削減目標達成まであと11%の削減
・埋立廃棄物量の削減は既に目標達成済

Consideration
マリオットとヒルトンの環境対策について調べてみましたが、基準年も違えば削減目標も異なる為比較がし難いことが判ります。
したがってあくまで各社のレポートに紹介されていて、私が調べる限りのものですが、言及されている取り組みについて比較してみました。

このようにみると、全体的な環境配慮にかかわる包括的な取り組みはマリオットの方が力を入れています。何かと制限が多く使いづらいはずの“建物転用ホテル“のオープン件数も目標数値を設定しているのは興味深く、本当にサステナビリティを重視していないとできないことでしょう。
一方で、炭素排出量削減や電力消費量削減のついてはヒルトンの方が具体策まで言及しており、実現可能性が高い印象を受けます。
また両社とも埋立廃棄物の削減には同様に本腰を入れていることが判ります。逆を返せば、他の項目と比較して取り組み易い項目とも言えるのでしょう。
両社とも感心する取り組みが多く、同業他社のライバル関係であるとはいえ、ESGやSDGsという共通目標を達成させるために各社が導入する技術の成功事例のシェアができることが望ましいのではないでしょうか。